最近のバイクはセンサーや触媒によって重くなっているって本当?
最新のバイクのカタログなどを見てみると、昔のバイクに比べて車重が重くなっているのではないかと?と感じることがあるかもしれません。
もちろん、バイクのスタイルや取り付けられている装備などによって違いはありますが、同じような形で同じ排気量であっても昔のモデルよりも20kgから30kg近く重くなっているものもあります。
たとえば400ccクラスのバイクの場合、現代の多くのバイクは190kgオーバーとなっていることが多いです。
この重さは昔のバイクでいうと750ccクラスと同じくらいですので、ワンランク上のモデルという感じがしてしまうのです。
その理由として考えられるのは、まずエンジンユニットや吸排気系の装備が複雑な構造となっていることが挙げられます。
昔のバイクは単純なキャブ構成のエンジンで、いわば「機械」という感じの作りでした。
しかし、今は電子制御を行うためのセンサーやコンピューターなどが新たに取り付けられていますし、厳しい排ガス規制をクリアするための高性能の触媒が装着されています。
他にも、タイヤのロックを防ぐためにABSが原付二種以上では必ず搭載されています。
繊細な走りが要求されるスーパースポーツ系やアドベンチャースタイルのバイクなどには、慣性計測装置による電子的なマシンコントロールがなされています。
こうした以前にはなかったパーツが増えていますし、それに関わるケーブル類も付帯しますのでどうしても重量が大きくなるのです。
装備重量と乾燥重量の違いも見るべき
ただし、これを持ってすべてのバイクが重くなっているとは言い切れません。
というのも、昔と今では重量の表示方法に違いがあるからです。
以前のカタログでは乾燥重量、オイルなどを抜いた重量つまり車体のみの重さを掲載していましたが、現在のカタログ表記では装備重量を採用しています。
これは、走行に必要なオイルやガソリン、冷却水などを入れた重量のことです。
こうした液体を入れれば当然20kgくらいにはなりますので、実質的にはそれほど昔と変わっていないこともあるわけです。
装備重量しか記載されなくなったのはいつ?
このように今のカタログでは装備重量のみが記載されているのですが、こうした変更があったのは2008年6月です。
乾燥重量の表記では実際とは合っていないため、本当に使用するのに必要な状態での重さを示すべきだという考えがでてきたからです。
そのため、このあたりから、少なくてもカタログる上の表記では一気にバイクが重くなったような印象を与えることになったのです。
もちろん本当に昔より重量が増しているモデルもありますが、こうした事情もあることを理解しておくと実情を知るのに役立つでしょう。