一昔前と比較して太いタイヤが好まれるようになっている
かつてロードバイクのタイヤと言えば、「できるだけ細くて軽いものが良い」という風潮がありました。
確かに、ロードバイクへ装着されている細いタイヤは外観のスタイリッシュさが際立っています。
とはいえ、10年ほど前からロードバイクに使用するタイヤの傾向に変化が生じ、以前よりも太いタイヤを好むライダーが増加傾向にあります。
かつては23mm幅のタイヤが一般的であったものの、最近では25mm幅が最もポピュラーになっています。
プロライダーの中にも、23mm幅ではなく25mm幅を選択する人が少なくありません。
こうした風潮に合わせて、国内外の各自転車メーカーも25mm幅以上の太いタイヤの装着を前提としたモデルを製作するケースが多くなっています。
中には、40mmオーバーのタイヤを装着できるモデルもあるほどです。
タイヤを太くするメリットとは
ロードバイクに太いタイヤを履かせるメリットは、「走行の安定性向上」でしょう。
タイヤが太くなることでタイヤの接地面積が大幅にアップしますから、その分グリップの効きが良くなります。
結果として走行中の安定性はアップし、カーブで転倒するリスクは低くなるでしょう。
また、細いタイヤと比較して空気量が多くなるのでタイヤが変形しにくくなり、路面に小さな溝や凹凸があったとしても引っかかりにくくなるのです。
加えて、段差による衝撃の影響が抑えられるというのも魅力でしょう。
非常に細いタイヤで走行していると、少しの砂利があったために転倒してしまったというケースも珍しくありません。
一方、太いタイヤであれば砂や砂利の影響を受ける心配はほぼなく、多少オフロードに近い路面状況であったとしてもさほど気にせず運転することができます。
このように転倒のリスクを軽減でき、走行中の快適性が確実に向上するというのは、太いタイヤへ切り替えることによってすぐに実感できるメリットでしょう。
太いタイヤを装着するデメリットも知ろう
太いタイヤを装着する最大のデメリットは、「重量がアップすること」でしょう。
タイヤそのものが大きくなることに加えて、ホイールのリムもよりワイドになるので、その分だけ重量は確実に大きくなります。
これは、スピードを求めるロードレーサーにとって大きなデメリットということができるでしょう。
「空気圧の調整に時間がかかる」というのも、太いタイヤを履かせるデメリットです。
タイヤの幅が大きくなるということは、それだけスペースがあるので空気をたくさん入れる必要があります。
手動で空気を入れる場合、タイヤを太くすることで以前よりも作業時間が増えたと感じることでしょう。